大阪府の斎場ならではの光景といえば
大阪といえばみなさん、何を思い浮かべるでしょうか。
大阪府の象徴といえば大阪城、通天閣にあべのハルカス、吉本新喜劇、どの駅前にも必ず一つはある、ソースの匂いがそそる小さなたこやき屋台。ひと癖あるこの地域の雰囲気に浸れば、ちょっと遊びによっただけの観光客ですら、「なんでやねーん」なんて言ってしまったり、すっかり大阪の色に染まってしまうものです。
大阪府は日本の中でも一味かわった趣があり、一度行ったらなかなか忘れられない、アクの強い雰囲気を持った場所です。
大阪は商人の町。そう言われる由縁は、この町の人々がもつ独特の雰囲気にあります。
大阪は瀬戸内海と近畿を結ぶ水運の拠点です。大きな川がみんなこの地域に集まっており、商業の発展が目覚ましい地域でした。武士が勢力を誇っていた江戸時代、大坂には江戸とくらべて武士の階級はあまりおらず、権力者を恐れるような風潮は育ちにくい環境にありました。そんな中で商業の発展とともに商人が増え、商売繁盛の気質が人々の中に生まれ、そして今のような、ノリがよく話のうまい、笑い好きの商人気質な文化ができあがってきたとされています。
さて、大阪独特のこの商人気質ですが、商人だけでなく大阪府民全体にこの気質が感じられます。方言のリズムやイントネーション自体もそうですし、にぎやかで雑多な町並みも、もっといえば町の雰囲気全体に「大阪らしさ」が隠れていて、普段の人々の生活に根付いているのです。
どうして大阪にはこんなに強く「大阪らしさ」が備わっているのでしょうか。
それは、大阪府民が普段何気なくしている生活の中、大事に守られてきた文化が影響していると思われます。
人なら一生に一度は経験する道。葬儀の場の光景に目を向けてみましょう。
葬儀とは、親族や知人が集まって故人に別れを告げ、冥福を祈り葬る儀式です。
一般的な葬儀でも様々なしきたりやマナーがありますが、大阪の小林斎場には他とは違う特徴が隠れています。
たとえば、友引の日の小林斎場の光景。
友引の日は一般的に葬儀は避ける傾向にありますが、本来は全てにおいて決着がつかない、引き分けの日という意味であって、縁起の悪い日というわけではありません。しかし漢字の印象から「友を引く」ととらえられ、故人が友を連れて行ってしまうという迷信が生まれ、葬儀を避けるようになったのです。